福岡県みやま市にある「菊美人酒造」は、1735年の創業以来、289年もの長い歴史を誇る老舗の酒蔵。
代々受け継がれてきた技術とこだわりの詰まったお酒が、人々に愛されています。
「菊美人酒造」の酒造りのテーマは「心を交わすよろこびを広げる」こと。
お酒を囲んで語り合うと、友人同士や家族がより親密になる。
絆を深め、心温まるひとときとなることを願い、一つ一つのお酒にその思いを込めています。
味わいに関しては、創業当初から続く〝しっかりとした米の旨味が感じられるお酒〟を大切に守りつつ、現代の好みに合わせた〝すっきり飲みやすい〟お酒の開発にも注力。
伝統を大切にしながらも、時代のニーズに応え進化しています。
温故知新の酒づくり
「菊美人酒造」の酒造りは“温故知新”の精神に通じています。
何世代にもわたって受け継がれてきた手法を守りつつ、時代の変化に合わせて進化を続けているのです。
例えば、酒造りの最後の工程である「搾り」では、多くの酒蔵が機械を使用していますが、「菊美人酒造」では人の手で丁寧に行います。
酒をより繊細に、そして美しく仕上げることができるからです。
この繊細な職人技が、きれいなお酒を生みだします。
また、おいしさを追求するために投資も惜しみません。
最新フィルターの導入や、麹を作る「麹室」の新設、大型冷蔵庫の導入など、酒の風味や品質をベストな状態で守るための設備を積極的に取り入れています。
伝統的な製法を守りつつも、必要な部分には現代技術を導入することで、常に最高のお酒を作ることを目指しています。
世界的にも評価される「菊美人」
さまざまなお酒のある「菊美人酒造」ですが、看板商品は店名を冠した「菊美人」です。
こちらは、米の旨味がしっかりと感じられ、ふくらみのある味わいが特徴。
「菊美人」シリーズは、純米大吟醸や大吟醸など6種類の品揃えがあり、それぞれ異なる味わいを楽しめます。
「菊美人 純米大吟醸 雫」は、2023年と2024年に国際的な酒類コンテストIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で2年連続のGOLDメダルを受賞。
また、他の銘柄も、Kura Master 金賞やIWCブロンズなど多くの賞を受賞しており、その味わいは世界的に高く評価されています。
他にも同店では、季節ごとのお酒や果実酒なども豊富に取り揃えています。
春の酒蔵開きの時期には、限定販売される「生酒」が人気。火入れを行わない生酒は、フレッシュでダイレクトな味わいが特徴で、日本酒ファンから高い支持を得ています。
また、ゆずや梅を使った果実酒はアルコール度数が低めで、お酒が苦手な方でも楽しめる一品です。
「菊美人酒造」では、多彩なラインナップのお酒が揃っており、どんな方でも自分好みの一本が見つかることでしょう。
店頭での購入はもちろん、オンラインショップでも取り扱っているので、ぜひチェックしてみてください。
「酒蔵びらき」で自分好みの一杯を見つけよう
「ぜひ一度、酒蔵びらきに足を運んでいただきたいです」と店主は話します。
毎年春に開催されるこのイベントは、地元の方だけでなく福岡市内などから約4000人もの来場者が集まる大人気の催しです。
酒蔵びらきでは、「菊美人酒造」のすべてのお酒が試飲できるのが大きな魅力。
最高峰のお酒も含め、さまざまな銘柄を一度に楽しめる貴重な機会です。
「いろいろ飲み比べて〝こんなタイプが好きだったんだ〟と自分の好みを再発見してほしい」と語り、参加者が日本酒との新たな出会いを楽しめる場となっているようです。
心を交わすよろこびを広げていく
今後の目標をお聞きすると「〝心を交わすよろこびを広げていく〟というゴールに向けてやっていきたい」とのこと。
「大切な人と心を交わす瞬間に、菊美人酒造のお酒がその役割を果たせる存在でありたい。そのために〝菊美人〟というブランドを大事にしながらも、パッケージや箱、ラベル、味わいなどを見直していきたい。贈り物としても選んでもらえるよう工夫していきたいです」
と話してくれました。
昔から続く伝統と味を大事に、時代のニーズも取り入れて進化していく「菊美人酒造」。
その一杯には、長い歴史の中で培われた職人の誇りが詰まっていました。
■店舗情報
店 名:菊美人酒造
住 所:福岡県みやま市瀬高町上庄183
電話番号:0944-62-3001
営業時間:8~17時
定休日 :土・日
Instagram:こちら
ホームページ:こちら
オンラインストア:こちら
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