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福岡県八女市といえば、九州で最も古い歴史を持つ「八女手漉き和紙」で有名な場所。
今回ご紹介するのは、この街で2023年にオープンした「八女和紙 design WAVE」です。
こちらは「現代の暮らしに寄り添った和紙の空間づくり」をコンセプトに、壁紙やアートパネルなどを制作。
モダンなデザインと和紙ならではの温もりあふれる品々が、今、密かな注目を集めています。
改めて気がついた八女手漉き和紙の魅力
「八女和紙 design WAVE」のオーナーの実家は、150年以上も続く老舗の和紙工房。
以前は和紙に興味が持てず、仕事にすることは考えていなかったのだそう。
ところがあるとき、知人から「和紙で祝儀袋を作って欲しい」と頼まれ、その魅力に気がついたと言います。
「改めて和紙に触れて、質感の良さや魅力を実感。組み合わせ次第で新しいものが作れると感じ、和紙を内装材に利用する技術を学び始めました」
もともとデザインやインテリア、空間コーディネートに興味があったというオーナー。
和紙工房の6代目を務める父から和紙作りの技術を教わったほか、独学で施工に関する知識も習得。
さらには和紙を使った空間づくりを手掛ける京都の和紙職人にも教えを請い、学びを深めました。
伝統の技が織りなす和紙の内装材
和紙といえば、昔は文字を書く紙としての役割がメインでしたが、現在はブックカバーや小物入れなど、日常使いのアイテムとして愛用する人も増えているそう。
特に楮(こうぞ/和紙の原料となるクワ科の落葉低木)は、繊維が長くしっかり絡むため、より強い和紙を作ることができるとされています。
よく「和紙を壁に貼って破れないの?」と聞かれるそうですが、製造の際に原料を何層にも重ねてすいて丈夫な内装材に仕上げているため全く問題ないとのこと。
オーナーは、「和紙ならではの温もりや落ち着いた空間を楽しんでいただきたいです」と語ります。
和紙ならではの風合いで上質な空間を作る
さらに「八女和紙 design WAVE」では、壁全体だけでなくアクセントクロスのような使い方も提案しています。
「玄関や部屋へ入った瞬間に、自然と目が行く場所をフォーカルポイントと呼びます。ここにアクセントとなる和紙を取り入れることで、今までとは全く違う雰囲気を演出することができるんです」
ほかにも、和紙で作ったアートパネルを制作。
Instagramには、シックでモダンな作品がズラリと並んでいます。
なかには「これが和紙でできているの?」と驚くような作品もあり、つい時間を忘れて見入ってしまうほど。
アートパネル一つで、お部屋の雰囲気をオシャレにランクアップしてくれそうです。
磨き抜かれた技術を受け継ぎ進化させていく
私たちに、新しい和紙の魅力を感じさせてくれる「八女和紙 design WAVE」。
オーナーは、今の暮らしに寄り添った和紙を提案していきたいと語ります。
「代々続いてきた手漉き和紙の技術は、未来へ残すべき大切なもの。それを受け継ぎながら、今だからできるデザインや仕上げ方を組み合わせて、新しい空間を作り上げていくのが魅力です」
インタビューの間、ずっと笑顔で話してくれたオーナー。
その姿からは、「和紙を通してお客様に喜んでいただける上質な空間を作りたい」というワクワクした思いが伝わってきました。
現代の暮らしに寄り添う和紙を作り続ける
そんな「八女和紙 design WAVE」の今後について伺うと、「空間全体をプロデュースできるようになりたい」という答えが返ってきました。
すでにオーナーの中には、和紙に合う照明や家具、素材などのラインナップができているのだそう。
自身のセンスと伝統の技を融合させ、多くの人に和紙の魅力を楽しんでもらいたいと語ります。
「私が一番伝えたいのは、和紙は古いものではないということ。今の暮らしに馴染み、日常を彩るアイテムとして皆さんに知っていただけたらうれしいです」
「八女和紙 design WAVE」では、和紙をちぎってアートパネルを作るワークショップも開催。
自宅でできる手作りキットの販売も考えていて、いろんな角度から和紙の魅力を発信しています。
長い歴史の中で受け継がれてきた伝統の八女手漉き和紙。
その磨き抜かれた匠の技を、あなたのご自宅にも取り入れてみませんか?
■店舗情報
店名:八女和紙 design WAVE
住所:福岡県八女市宮野288-1
Googleマップ:こちら
電話番号:080-1798-2647
営業時間:8時30分~17時30分
定休日: 日+不定休
Instagram:こちら
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